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坊ちゃん 第十章 表紙の画像

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の1ページ目の一文 学校の生徒は八百人もあるのだから、体操の教師が隊伍を整えて、一組一組の間を少しずつ明けて、それへ職員が一人か二人ずつ監督として割り込む仕掛けである。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の2ページ目の一文 生徒は小供の上に、生意気で、規律を破らなくっては生徒の体面にかかわると思ってる奴等だから、職員が幾人ついて行ったって何の役に立つもんか。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の3ページ目の一文 宿直事件で生徒を謝罪さして、まあこれならよかろうと思っていた。ところが実際は大違いである。下宿の婆さんの言葉を借りて云えば、正に大違いの勘五郎である。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の4ページ目の一文 ただ校長から、命令されて、形式的に頭を下げたのである。商人が頭ばかり下げて、狡い事をやめないのと一般で生徒も謝罪だけはするが、いたずらは決してやめるものでない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の5ページ目の一文 おれが組と組の間にはいって行くと、天麩羅だの、団子だの、と云う声が絶えずする。しかも大勢だから、誰が云うのだか分らない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の6ページ目の一文 おれの顔を汚すのを抛っておく、樗蒲一(ちょぼいち)はない。向こうが人ならおれも人だ。生徒だって、子供だって、ずう体はおれより大きいや。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の7ページ目の一文 ろがこっちから返報をする時分に尋常の手段で行くと、向うから逆捩を食わして来る。貴様がわるいからだと云うと、初手から逃げ路が作ってある事だから滔々と弁じ立てる。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の8ページ目の一文 それなら向うのやるなり、愚迂多良童子を極め込んでいれば、向うはますます増長するばかり、大きく云えば世の中のためにならない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の9ページ目の一文 駄目だが一年もこうやられる以上は、おれも人間だから駄目でも何でもそうならなくっちゃ始末がつかない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の10ページ目の一文 大手町を突き当って薬師町へ曲がる角の所で、行き詰ったぎり、押し返したり、押し返されたりして揉み合っている。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の11ページ目の一文 大方狭い田舎で退屈だから、暇潰しにやる仕事なんだろう。おれは喧嘩は好きな方だから、衝突と聞いて、面白半分に馳け出して行った。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の12ページ目の一文 先を争った衝突は、折合がついたには相違ないが、つまり中学校が一歩を譲ったのである。資格から云うと師範学校の方が上だそうだ。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の13ページ目の一文 手紙なんぞをかくのは面倒臭い。やっぱり東京まで出掛けて行って、逢って話をするのが簡便だ。清の心配は察しないでもないが、清の注文通りの手紙を書くのは三七日の断食よりも苦しい。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の14ページ目の一文 おれは筆と巻紙を抛り出して、ごろりと転がって肱枕をして庭の方を眺めてみたが、やっぱり清の事が気にかかる。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の15ページ目の一文 東京を出た事のないものには蜜柑の生っているところはすこぶる珍しいものだ。あの青い実がだんだん熟してきて、黄色になるんだろうが、定めて奇麗だろう。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の16ページ目の一文 おれが蜜柑の事を考えているところへ、偶然山嵐が話しにやって来た。今日は祝勝会だから、君といっしょにご馳走を食おうと思って牛肉を買って来たと、竹の皮の包を袂から引きずり出して、座敷の真中へ抛り出した。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の17ページ目の一文 蕎麦屋行き、団子屋行きを禁じられてる際だから、そいつは結構だと、すぐ婆さんから鍋と砂糖をかり込んで、煮方に取りかかった。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の17ページ目の一文 あいつは、ふた言目には品性だの、精神的|娯楽だのと云う癖に、裏へ廻って、芸者と関係なんかつけとる、怪しからん奴だ。それもほかの人が遊ぶのを寛容するならいいが、君が蕎麦屋へ行ったり、団子屋へはいるのさえ取締上害になると云って、校長の口を通して注意を加えたじゃないか。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の18ページ目の一文 僕は知らないとか、露西亜文学だとか、俳句が新体詩の兄弟分だとか云って、人を烟(けむ)に捲くつもりなんだ。あんな弱虫は男じゃないよ。全く御殿女中の生れ変りか何かだぜ。ことによると、あいつのおやじは湯島の かげま かもしれない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の19ページ目の一文 宿屋兼料理屋さ。だからあいつを一番へこますためには、あいつが芸者をつれて、あすこへはいり込むところを見届けておいて面詰(めんきつ)するんだね

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の20ページ目の一文 うん、角屋の前に枡屋という宿屋があるだろう。あの表二階をかりて、障子へ穴をあけて、見ているのさ

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の21ページ目の一文 あんな奸物をあのままにしておくと、日本のためにならないから、僕が天に代って誅戮を加えるんだ

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の22ページ目の一文 おれと山嵐がしきりに赤シャツ退治の計略を相談していると、宿の婆さんが出て来て、学校の生徒さんが一人、堀田先生にお目にかかりたいててお出でたぞなもし。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の23ページ目の一文 高知から、何とか踴りをしに、わざわざここまで多人数乗り込んで来ているのだから、是非見物しろ、めったに見られない踴だというんだ、君もいっしょに行ってみたまえと山嵐は大いに乗り気で、おれに同行を勧める。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の24ページ目の一文 毎年八幡様のお祭りには屋台が町内へ廻ってくるんだから汐酌みでも何でもちゃんと心得ている。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の25ページ目の一文 会場へはいると、回向院の相撲か本門寺の御会式のように幾旒となく長い旗を所々に植え付けた上に、世界万国の国旗をことごとく借りて来たくらい、縄から縄、綱から綱へ渡しかけて、大きな空が、いつになく賑やかに見える。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の26ページ目の一文 天主の松の上をふわふわ飛んで営所のなかへ落ちた。次はぽんと音がして、黒い団子が、しょっと秋の空を射抜くように揚がると、それがおれの頭の上で、ぽかりと割れて、青い烟が傘の骨のように開いて、だらだらと空中に流れ込んだ。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の27ページ目の一文 田舎にもこんなに人間が住んでるかと驚ろいたぐらいうじゃうじゃしている。利口な顔はあまり見当らないが、数から云うとたしかに馬鹿に出来ない。そのうち評判の高知の何とか踴が始まった。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の28ページ目の一文 踴というから藤間か何ぞのやる踴りかと早合点していたが、これは大間違いであった。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の29ページ目の一文 太鼓をぼこぼん、ぼこぼんと叩く。歌の調子は前代未聞の不思議なものだ。三河万歳と普陀洛やの合併したものと思えば大した間違いにはならない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の30ページ目の一文 歌はすこぶる悠長なもので、夏分の水飴のように、だらしがないが、句切りをとるためにぼこぼんを入れるから、のべつのようでも拍子は取れる。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の31ページ目の一文 抜き身の動くのは自由自在だが、その動く範囲は一尺五寸角の柱のうちにかぎられた上に、前後左右のものと同方向に同速度にひらめかなければならない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の32ページ目の一文 聞いてみると、これははなはだ熟練の入るもので容易な事では、こういう風に調子が合わないそうだ。ことにむずかしいのは、かの万歳節のぼこぼん先生だそうだ。三十人の足の運びも、手の働きも、腰の曲げ方も、ことごとくこのぼこぼん君の拍子一つで極まるのだそうだ。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の33ページ目の一文 おれと山嵐が感心のあまりこの踴を余念なく見物していると、半町ばかり、向うの方で急にわっと云う鬨の声がして、今まで穏やかに諸所を縦覧していた連中が、にわかに波を打って、右左りに揺き始める。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の34ページ目の一文 中学の方で、今朝の意趣返しをするんで、また師範の奴と決戦を始めたところです、早く来て下さいと云いながらまた人の波のなかへ潜り込んでどっかへ行ってしまった。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の35ページ目の一文 師範の方は五六十人もあろうか、中学はたしかに三割方多い。師範は制服をつけているが、中学は式後大抵は日本服に着換えているから、敵味方はすぐわかる。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の36ページ目の一文 山嵐は困ったなと云う風で、しばらくこの乱雑な有様を眺めていたが、こうなっちゃ仕方がない。巡査がくると面倒だ。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の37ページ目の一文 目の前に比較的大きな師範生が、十五六の中学生と組み合っている。止せと云ったら、止さないかと師範生の肩を持って、無理に引き分けようとする途端にだれか知らないが、下からおれの足をすくった。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の38ページ目の一文 起き上がって見ると、三間ばかり向うに山嵐の大きな身体が生徒の間に挟まりながら、止せ止せ、喧嘩は止せ止せと揉み返されてるのが見えた。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の39ページ目の一文 石がまたひゅうと来る。今度はおれの五分刈の頭を掠めて後ろの方へ飛んで行った。山嵐はどうなったか見えない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の40ページ目の一文 今まで葛練りの中で泳いでるように身動きも出来なかったのが、急に楽になったと思ったら、敵も味方も一度に引上げてしまった。田舎者でも退却は巧妙だ。クロパトキンより旨いくらいである。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の41ページ目の一文 おれは飛白の袷を着ていたから泥だらけになったけれども、山嵐の羽織ほどな損害はない。

夏目漱石の坊ちゃん(第十章)の42ページ目の一文 警察まで来いと云うから、警察へ行って、署長の前で事の顛末を述べて下宿へ帰った。

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坊ちゃん

坊つちやん』(ぼっちゃん)は、夏目漱石による日本の中編小説。現代表記では『坊っちゃん』。 1906年(明治39年)、『ホトトギス』第九巻第七号(4月1日)の「附録」(別冊ではない)として発表。1907年(明治40年)1月1日発行の『鶉籠(ウズラカゴ)』(春陽堂刊)に収録された。その後は単独で単行本化されているものも多い。 登場する人物の描写が滑稽で、わんぱく坊主のいたずらあり、悪口雑言あり、暴力沙汰あり、痴情のもつれあり、義理人情ありと、他の漱石作品と比べて大衆的であり、漱石の小説の中で最も多くの人に愛読されている作品である。

あらすじ

親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている坊っちゃんは、家族から疎まれる少年期を過ごす。そんな中、下女のだけは坊っちゃんの曲がったことが大嫌いな性格を(褒められるのをお世辞だろうからと言われてもそれを)気に入り、可愛がってくれていた。

父親と死別後、兄から渡された600円(兄は同時に清に与えるようにと50円を渡した)を学費に東京の物理学校[1]に入学。卒業後8日目、母校の校長の誘いに「行きましょうと即席に返事をした」ことから四国の旧制中学校に数学の教師(月給40円)として赴任した。

そこで教頭の赤シャツ美術教師の野だいこ数学主任の山嵐英語教師のうらなりと出会う。

赴任先で蕎麦屋に入って、天麩羅を4杯頼んだこと、団子を2皿食べたこと、温泉の浴槽で遊泳したことを生徒から冷やかされ、初めての宿直の夜に寄宿生達から手ひどい嫌がらせを受けた坊っちゃんは、寄宿生らの処分を訴えるが、赤シャツや教員の大勢は事なかれ主義から教師全体の責任としながら、坊っちゃんに生徒の責任を転嫁しようとした。この時に筋を通す処分を主張したのは、仲違い中の山嵐だった。結局生徒達は坊っちゃんへの謝罪と厳罰を受けることになるが、宿直当日に坊っちゃんも温泉街へ無断外出をしたため、外食店への出入り禁止を言い渡される。

やがて坊っちゃんは、赤シャツがうらなりの婚約者であるマドンナへの横恋慕からうらなりを左遷したことを知り、義憤にかられる。このことで坊っちゃんと山嵐は過去の諍いを水に流し意気投合し、彼らを懲らしめるための策を練る。

[1]「坊っちゃん」が物理学校卒業という設定になっているのは、漱石自身が同校の設立者(東京物理学校維持同盟員)である桜井房記・中村恭平と親交が深かったほかに、当時の一般的イメージとして物理学校出身教員が高い評判を得ていたことも関係していると考えられている。

登場人物

坊っちゃん
本編の主人公。語り手で、一人称は地文では「おれ」。会話では目上の人物に対して「わたし」「ぼく」も使う。 東京の物理学校(現在の東京理科大学の前身)を卒業したばかりの江戸っ子気質で血気盛んで無鉄砲な新任教師。新聞報道に「近頃東京(江戸)から赴任した生意気なる某」とあるのに立腹して「れっきとした姓もあり名もある」と言いながら本名、実名は明らかにされない。「坊っちゃん」とは、清が主人公を呼ぶ呼び名である。 いたずら好きで喧嘩っ早い性格ゆえに両親からは冷たく扱われ、兄と不仲である。本人の弁によれば無鉄砲なのは親譲り。そのせいで子供の頃から損ばかりしている。家庭内で自分に対する愛情を表してくれたのは下女の清だけであった。物理学校の卒業生で、卒業後は校長の勧めを受け四国の中学校で数学教師になる。小学校の時分、同級生の挑発に乗って学校の二階から飛び降り、1週間ほど腰を抜かす。親類に貰ったナイフを見せた友人に「切れるナイフというなら指を切って見ろ」と注文され、右手親指の甲に切りつけて見せる。この傷跡は一生消えなかった(第一章)。嘘を吐くことや不正が嫌いで、理由を問わず他人がそれをすることも決して許さない。

清(きよ)
坊っちゃんの家の下女。明治維新で落ちぶれた身分のある家の出身。
家族に疎まれる坊っちゃんを庇い、可愛がっている。何かにつけて「あなたは真っ直ぐで、よいご気性だ」と褒め、坊っちゃん自身は「よい気性なら清以外のものも、もう少し善くしてくれるだろう」と思い、「おれは、お世辞は嫌(きらい)だ」と答えるが、「それだから好いご気性です」と笑顔で褒める。そんな清に対して坊っちゃんは、地文では「自分の力でおれを製造して誇っている様に見える。少々気味がわるかった。」としており、それ以降も清の言葉に「今から考えると馬鹿馬鹿しい」「教育のない婆さんだから仕方がない」などと辛辣に語っているが、松山に発つ際の別れ際には、涙を浮かべる清に対して、泣かなかったが「もう少しで泣くところであった」と記述があり、坊っちゃんが清を慕う気持ちもうかがえる。坊っちゃんは、その清から三円借りている(このくだりで、「今となっては十倍にして返してやりたくても返せない」との記述があり、清が既に亡くなっていることが示唆されている)が、それを「帰さない」まま任地へ行ってしまった。
長年仕えた坊っちゃんの家が人手に渡ってしまった後は、裁判所に勤める甥の家に世話になっていた。坊っちゃんが松山に赴任してからも気にかけており、他人にあだ名を付けたり、癇癪を起こさないよう手紙を通じて諫言している。

狸(たぬき)
坊っちゃんの学校の校長。事なかれ主義の優柔不断な人物。奏任官待遇(第四章)。
一説には漱石の愛媛県尋常中学校教師赴任時代の校長だった住田昇がモデルの一人とされている。

赤シャツ
教頭。坊っちゃんの学校で唯一の帝大卒の文学士。
表向きは物腰柔らかく穏やかな口調だが陰湿な性格で、坊っちゃんと山嵐から毛嫌いされる。「赤はからだに薬になる」という理由で、通年フランネルの赤いシャツを着用している。
琥珀製のパイプを絹のハンカチで磨く。奏任官待遇(第四章)。金側の懐中時計を用いる。マドンナを手なずけて婚約者のうらなりから横取りする(第七章)。

赤シャツの弟
坊っちゃんに代数と算術を教わっている。坊っちゃん曰く「至って出来のわるい子」で、「渡りものだから、生まれ付いての田舎者よりも人が悪い」。

野だいこ
画学教師。東京出身。赤シャツの腰巾着。名字は吉川。江戸っ子を自称しており、芸人ふうに「…でげす」(…です、の意)と言う。
気に入らないものに陰口を叩いたり、赤シャツなど上司におべっかを使うため、坊っちゃんからは初対面の時に「こんなのが江戸っ子なら、江戸には生まれたくないものだ」と苦々しく思われ、第五章では「たくあん石をつけて、海の底へでも沈めちまうのが日本のため」と断言されるなど赤シャツ以上に良く思われていない。

うらなり
英語教師。名字は古賀。
お人好しで消極的な性格。青白いながらふくれた容姿の持ち主で、子供の頃に同じように青くふくれている人物について清から「あれはうらなりのとうなすばかり食べているからああなった」と聞いたことを思い出した坊っちゃんから「うらなり」と名づけられた。マドンナの婚約者であったが、1年前のうらなりの父の急死で結婚が延びていた間に赤シャツがマドンナと交際をはじめてしまう。

マドンナ
うらなりの婚約者だった令嬢。名字は遠山。マドンナは教師たちの間でのあだ名。
赤シャツと交際している。坊っちゃん曰く、「色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人」、「水晶の珠を香水で暖ためて、掌へ握ってみたような心持ち」の美人。作中のキーパーソンだが、発言はなく出番もわずかなマクガフィン的な存在。坊っちゃんとの関係は、作中では坊っちゃんが一方的に注目しているだけで、彼女自身は坊っちゃんのことを全く知らない。うらなりの人柄を買っている坊ちゃんはマドンナを「こんな結構な男を捨てて赤シャツになびくなんて、よっぼど気の知れないおきゃん」と評した。

マドンナの母親
坊っちゃんの推測による母親らしき人物。歳は四十五六。背は低いが顔がよく似ている。

山嵐
数学の主任教師。名字は堀田。会津出身。
面構えは坊っちゃん曰く「(比)叡山の悪僧」。正義感の強い性格で生徒に人望がある。 赤シャツの陰謀により坊っちゃんとは仲違いもあった

萩野夫妻
鍛冶屋町に住む老夫婦。旦那は謡が趣味。
いか銀を退去し、うらなりの母の勧めで訪れた坊っちゃんを自宅の一室に住まわせる(第七章)。坊っちゃん曰く士族だけあって上品だが、惜しいことに食い物がまずい。 特に夫人はかなりの情報通であり、坊っちゃんにマドンナ事件やうらなりの延岡転任の真相を教える。

生徒たち
坊っちゃんの学校の教え子。
新米教師である坊っちゃんの私生活を尾行してからかったり(第三章)、宿直中の坊っちゃんの蚊帳の中にイナゴを入れる(第四章)など手の込んだいたずらをするが、たびたびしらを切り坊っちゃんを怒らせる。のちに職員会議で問題になり、山嵐の訴えで坊っちゃんに直接謝罪したうえで一週間の謹慎となる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』坊つちやん(坊ちゃん) (夏目 漱石) 

夏目漱石

夏目 漱石(なつめ そうせき、1867年2月9日〈慶応3年1月5日〉 - 1916年〈大正5年〉12月9日)は、日本の教師・小説家・評論家・英文学者・俳人。本名は夏目 金之助(なつめ きんのすけ)。
俳号は愚陀仏。明治末期から大正初期にかけて活躍し、今日通用する言文一致の現代書き言葉を作った近代日本文学の文豪の一人。
代表作は『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『三四郎』『それから』『こゝろ』『明暗』など。明治の文豪として日本の千円紙幣の肖像にもなった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』夏目漱石

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夏目漱石
小説作品



坊ちゃん(第一章)

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坊ちゃん(第二章)

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坊ちゃん(第十章)

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坊ちゃん(第十一章) 最終章

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坊ちゃん(1)

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