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坊ちゃん 第九章 表紙の画像

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の1ページ目の一文 うらなり君の送別会のあるという日の朝、学校へ出たら、山嵐が突然、君先だってはいか銀が来て、君が乱暴して困るから、どうか出るように話してくれと頼んだ

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の2ページ目の一文 君に懸物や骨董を売りつけて、商売にしようと思ってたところが、君が取り合わないで儲けがないものだから、あんな作りごとをこしらえて胡魔化したのだ。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の3ページ目の一文 山嵐は大きな声をしてアハハハと笑いながら、そんなら、なぜ早く取らなかったのだと聞いた。実は取ろう取ろうと思ってたが、何だか妙だからそのままにしておいた。近来は学校へ来て一銭五厘を見るのが苦になるくらいいやだった

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の4ページ目の一文 会津っぽか、強情な訳だ。今日の送別会へ行くのかい おれは無論行くんだ。古賀さんが立つ時は、浜まで見送りに行こうと思ってるくらいだ

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の5ページ目の一文 山嵐は約束通りおれの下宿へ寄った。おれはこの間から、うらなり君の顔を見る度に気の毒でたまらなかった

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の6ページ目の一文 おれはまず冒頭としてマドンナ事件から説き出したが、山嵐は無論マドンナ事件はおれより詳しく知っている。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の7ページ目の一文 山嵐は強い事は強いがこんな言葉になるとおれより遥かに字を知っていない。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の8ページ目の一文 増給事件と将来重く登用すると赤シャツが云った話をしたら山嵐はふふんと鼻から声を出して、それじゃ僕を免職する考えだなと云った。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の9ページ目の一文 山嵐は強そうだが、智慧はあまりなさそうだ。おれが増給を断わったと話したら大将大きに喜んでさすが江戸っ子だえらいと賞めてくれた。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の10ページ目の一文 今度の事件は全く赤シャツが、うらなりを遠ざけてマドンナを手に入れる策略なんだろうとおれが云ったら、無論そうに違いない。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の11ページ目の一文 君の腕は強そうだな柔術でもやるかと聞いてみた。すると大将二の腕へ力瘤を入れて、ちょっと攫んでみろと云うから、指の先で揉んでみたら、何の事はない湯屋にある軽石の様なものだ。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の12ページ目の一文 君そのくらいの腕なら、赤シャツの五人や六人は一度に張り飛ばされるだろうと聞いたら、無論さと云いながら、曲げた腕を伸ばしたり、縮ましたりすると、力瘤(こぶ)がぐるりぐるりと皮のなかで廻転する。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の13ページ目の一文 今夜の送別会に大いに飲んだあと、赤シャツと野だを撲ってやらないかと面白半分に勧めてみたら、山嵐はそうだなと考えていた

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の14ページ目の一文 じゃ演説をして古賀君を大いにほめてやれ、おれがすると江戸っ子のぺらぺらになって重みがなくていけない。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の15ページ目の一文 山嵐と一所に会場へ行く。会場は花晨亭といって、当地で第一等の料理屋だそうだが、おれは一度も足を入れた事がない。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の16ページ目の一文 五十畳だけに床は素敵に大きい。おれが山城屋で占領した十五畳敷の床とは比較にならない。尺を取ってみたら二間あった。右の方に、赤い模様のある瀬戸物の瓶を据えて、その中に松の大きな枝が挿してある。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の17ページ目の一文 あの瀬戸物はどこで出来るんだと博物の教師に聞いたら、あれは瀬戸物じゃありません、伊万里ですと云った。伊万里だって瀬戸物じゃないか

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の18ページ目の一文 漢学の先生に、なぜあんなまずいものを麗々と懸けておくんですと尋ねたところ、先生はあれは海屋といって有名な書家のかいた者だと教えてくれた。海屋だか何だか、おれは今だに下手だと思っている。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の19ページ目の一文 隣りの体操教師は 黒ずぼん で、ちゃんとかしこまっている。体操の教師だけにいやに修行が積んでいる。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の20ページ目の一文 ご一身上のご都合で、切に転任をご希望になったのだから致し方がないという意味を述べた。こんな嘘をついて送別会を開いて、それでちっとも恥かしいとも思っていない。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の21ページ目の一文 マドンナも大方この手で引掛けたんだろう。赤シャツが送別の辞を述べ立てている最中、向側に坐っていた山嵐がおれの顔を見てちょっと稲光をさした。おれは返電として、人指し指でべっかんこうをして見せた。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の22ページ目の一文 私は少々反対で古賀君が一日も早く当地を去られるのを希望しております。延岡は僻遠の地で、当地に比べたら物質上の不便はあるだろう。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の23ページ目の一文 心にもないお世辞を振り蒔いたり、美しい顔をして君子を陥れたりするハイカラ野郎は一人もないと信ずるからして、君のごとき温良篤厚の士は必ずその地方一般の歓迎を受けられるに相違ない。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の24ページ目の一文 山嵐が坐ると今度はうらなり先生が起った。先生はご鄭寧に、自席から、座敷の端の末座まで行って、慇懃に一同に挨拶をした

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の25ページ目の一文 今般は一身上の都合で九州へ参る事になりましたについて、諸先生方が小生のためにこの盛大なる送別会をお開き下さったのは、まことに感銘の至りに堪えぬ次第

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の26ページ目の一文 あの様子や、あの言葉つきや、あの顔つきから云うと、心から感謝しているらしい。こんな聖人に真面目にお礼を云われたら、気の毒になって、赤面しそうなものだが狸も赤シャツも真面目に謹聴しているばかりだ。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の27ページ目の一文 大方江戸前の料理を食った事がないんだろう。そのうち燗徳利(とっくり)が頻繁に往来し始めたら、四方が急に賑やかになった。野だ公は恭しく校長の前へ出て盃を頂いてる。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の28ページ目の一文 うらなり君がおれの前へ来て、一つ頂戴致しましょうと袴のひだを正して申し込まれたから、おれも窮屈にズボンのままかしこまって、一盃差し上げた。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の29ページ目の一文 昔風な庭を星明りにすかして眺めていると山嵐が来た。どうださっきの演説はうまかったろうと大分得意である。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の30ページ目の一文 「おれには、そう舌は廻らない。君は能弁だ。第一単語を大変たくさん知ってる。それで演舌が出来ないのは不思議だ

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の31ページ目の一文 「何遍でもやるさいいか。――ハイカラ野郎のペテン師の、イカサマ師の……」と云いかけていると、椽側をどたばた云わして、二人ばかり、よろよろしながら馳け出して来た。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の32ページ目の一文 さあ、諸君、いかさま師を引っ張って来た。さあ飲ましてくれたまえ。いかさま師をうんと云うほど、酔わしてくれたまえ。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の33ページ目の一文 ところへお座敷はこちら? と芸者が三四人はいって来た。おれも少し驚ろいたが、壁際へ圧し付けられているんだから、じっとしてただ見ていた。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の34ページ目の一文 芸者が来たら座敷中急に陽気になって、一同が鬨の声を揚げて歓迎したのかと思うくらい、騒々しい。そうしてある奴はなんこを攫む。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の35ページ目の一文 まるで居合抜の稽古のようだ。こっちでは拳を打ってる。よっ、はっ、と夢中で両手を振るところは、ダーク一座の操人形よりよっぽど上手だ。向うの隅ではおいお酌だ、と徳利を振ってみて、酒だ酒だと言い直している。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の36ページ目の一文 おれの前へ来た一人の芸者が、あんた、なんぞ、唄いなはれ、と三味線を抱えたから、おれは唄わない、貴様唄ってみろと云ったら、金や太鼓でねえ、迷子の迷子の三太郎と、どんどこ、どんのちゃんちきりん。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の37ページ目の一文 野だが、鈴ちゃん逢いたい人に逢ったと思ったら、すぐお帰りで、お気の毒さまみたようでげすと相変らず噺し家みたような言葉使いをする。知りまへんと芸者はつんと済ました。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の38ページ目の一文 芸者に叩かれて笑うなんて、野だもおめでたい者だ。鈴ちゃん僕が紀伊の国を踴るから、一つ弾いて頂戴と云い出した。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の39ページ目の一文 一人が博物を捕まえて近頃こないなのが、でけましたぜ、弾いてみまほうか。よう聞いて、いなはれや 花月巻、白いリボンのハイカラ頭、乗るは自転車、弾くはヴァイオリン

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の40ページ目の一文 山嵐は委細構わず、ステッキを持って来て、踏破千山万岳烟と真中へ出て独りで隠し芸を演じている。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の41ページ目の一文 さっきから苦しそうに袴も脱がず控えているうらなり君が気の毒でたまらなかったが、なんぼ自分の送別会だって、越中褌の裸踴まで羽織袴で我慢してみている

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の42ページ目の一文 うらなり君は今日は私の送別会だから、私が先へ帰っては失礼です、どうぞご遠慮なくと動く景色もない。なに構うもんですか、送別会なら、送別会らしくするがいいです。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の43ページ目の一文 野だは二三秒の間毒気を抜かれた体で、ぼんやりしていたが、おやこれはひどい。お撲ちになったのは情ない。この吉川をご打擲とは恐れ入った。

夏目漱石の坊ちゃん(第九章)の44ページ目の一文 うしろから山嵐が何か騒動が始まったと見てとって、剣舞をやめて、飛んできたが、このていたらくを見て、いきなり頸筋をうんと攫んで引き戻した。

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坊ちゃん

坊つちやん』(ぼっちゃん)は、夏目漱石による日本の中編小説。現代表記では『坊っちゃん』。 1906年(明治39年)、『ホトトギス』第九巻第七号(4月1日)の「附録」(別冊ではない)として発表。1907年(明治40年)1月1日発行の『鶉籠(ウズラカゴ)』(春陽堂刊)に収録された。その後は単独で単行本化されているものも多い。 登場する人物の描写が滑稽で、わんぱく坊主のいたずらあり、悪口雑言あり、暴力沙汰あり、痴情のもつれあり、義理人情ありと、他の漱石作品と比べて大衆的であり、漱石の小説の中で最も多くの人に愛読されている作品である。

あらすじ

親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている坊っちゃんは、家族から疎まれる少年期を過ごす。そんな中、下女のだけは坊っちゃんの曲がったことが大嫌いな性格を(褒められるのをお世辞だろうからと言われてもそれを)気に入り、可愛がってくれていた。

父親と死別後、兄から渡された600円(兄は同時に清に与えるようにと50円を渡した)を学費に東京の物理学校[1]に入学。卒業後8日目、母校の校長の誘いに「行きましょうと即席に返事をした」ことから四国の旧制中学校に数学の教師(月給40円)として赴任した。

そこで教頭の赤シャツ美術教師の野だいこ数学主任の山嵐英語教師のうらなりと出会う。

赴任先で蕎麦屋に入って、天麩羅を4杯頼んだこと、団子を2皿食べたこと、温泉の浴槽で遊泳したことを生徒から冷やかされ、初めての宿直の夜に寄宿生達から手ひどい嫌がらせを受けた坊っちゃんは、寄宿生らの処分を訴えるが、赤シャツや教員の大勢は事なかれ主義から教師全体の責任としながら、坊っちゃんに生徒の責任を転嫁しようとした。この時に筋を通す処分を主張したのは、仲違い中の山嵐だった。結局生徒達は坊っちゃんへの謝罪と厳罰を受けることになるが、宿直当日に坊っちゃんも温泉街へ無断外出をしたため、外食店への出入り禁止を言い渡される。

やがて坊っちゃんは、赤シャツがうらなりの婚約者であるマドンナへの横恋慕からうらなりを左遷したことを知り、義憤にかられる。このことで坊っちゃんと山嵐は過去の諍いを水に流し意気投合する。

[1]「坊っちゃん」が物理学校卒業という設定になっているのは、漱石自身が同校の設立者(東京物理学校維持同盟員)である桜井房記・中村恭平と親交が深かったほかに、当時の一般的イメージとして物理学校出身教員が高い評判を得ていたことも関係していると考えられている。

[1]「坊っちゃん」が物理学校卒業という設定になっているのは、漱石自身が同校の設立者(東京物理学校維持同盟員)である桜井房記・中村恭平と親交が深かったほかに、当時の一般的イメージとして物理学校出身教員が高い評判を得ていたことも関係していると考えられている。

登場人物

坊っちゃん
本編の主人公。語り手で、一人称は地文では「おれ」。会話では目上の人物に対して「わたし」「ぼく」も使う。 東京の物理学校(現在の東京理科大学の前身)を卒業したばかりの江戸っ子気質で血気盛んで無鉄砲な新任教師。新聞報道に「近頃東京(江戸)から赴任した生意気なる某」とあるのに立腹して「れっきとした姓もあり名もある」と言いながら本名、実名は明らかにされない。「坊っちゃん」とは、清が主人公を呼ぶ呼び名である。 いたずら好きで喧嘩っ早い性格ゆえに両親からは冷たく扱われ、兄と不仲である。本人の弁によれば無鉄砲なのは親譲り。そのせいで子供の頃から損ばかりしている。家庭内で自分に対する愛情を表してくれたのは下女の清だけであった。物理学校の卒業生で、卒業後は校長の勧めを受け四国の中学校で数学教師になる。小学校の時分、同級生の挑発に乗って学校の二階から飛び降り、1週間ほど腰を抜かす。親類に貰ったナイフを見せた友人に「切れるナイフというなら指を切って見ろ」と注文され、右手親指の甲に切りつけて見せる。この傷跡は一生消えなかった(第一章)。嘘を吐くことや不正が嫌いで、理由を問わず他人がそれをすることも決して許さない。

清(きよ)
坊っちゃんの家の下女。明治維新で落ちぶれた身分のある家の出身。
家族に疎まれる坊っちゃんを庇い、可愛がっている。何かにつけて「あなたは真っ直ぐで、よいご気性だ」と褒め、坊っちゃん自身は「よい気性なら清以外のものも、もう少し善くしてくれるだろう」と思い、「おれは、お世辞は嫌(きらい)だ」と答えるが、「それだから好いご気性です」と笑顔で褒める。そんな清に対して坊っちゃんは、地文では「自分の力でおれを製造して誇っている様に見える。少々気味がわるかった。」としており、それ以降も清の言葉に「今から考えると馬鹿馬鹿しい」「教育のない婆さんだから仕方がない」などと辛辣に語っているが、松山に発つ際の別れ際には、涙を浮かべる清に対して、泣かなかったが「もう少しで泣くところであった」と記述があり、坊っちゃんが清を慕う気持ちもうかがえる。坊っちゃんは、その清から三円借りている(このくだりで、「今となっては十倍にして返してやりたくても返せない」との記述があり、清が既に亡くなっていることが示唆されている)が、それを「帰さない」まま任地へ行ってしまった。
長年仕えた坊っちゃんの家が人手に渡ってしまった後は、裁判所に勤める甥の家に世話になっていた。坊っちゃんが松山に赴任してからも気にかけており、他人にあだ名を付けたり、癇癪を起こさないよう手紙を通じて諫言している。

狸(たぬき)
坊っちゃんの学校の校長。事なかれ主義の優柔不断な人物。奏任官待遇(第四章)。
一説には漱石の愛媛県尋常中学校教師赴任時代の校長だった住田昇がモデルの一人とされている。

赤シャツ
教頭。坊っちゃんの学校で唯一の帝大卒の文学士。
表向きは物腰柔らかく穏やかな口調だが陰湿な性格で、坊っちゃんと山嵐から毛嫌いされる。「赤はからだに薬になる」という理由で、通年フランネルの赤いシャツを着用している。
琥珀製のパイプを絹のハンカチで磨く。奏任官待遇(第四章)。金側の懐中時計を用いる。マドンナを手なずけて婚約者のうらなりから横取りする(第七章)。

赤シャツの弟
坊っちゃんに代数と算術を教わっている。坊っちゃん曰く「至って出来のわるい子」で、「渡りものだから、生まれ付いての田舎者よりも人が悪い」。

野だいこ
画学教師。東京出身。赤シャツの腰巾着。名字は吉川。江戸っ子を自称しており、芸人ふうに「…でげす」(…です、の意)と言う。
気に入らないものに陰口を叩いたり、赤シャツなど上司におべっかを使うため、坊っちゃんからは初対面の時に「こんなのが江戸っ子なら、江戸には生まれたくないものだ」と苦々しく思われ、第五章では「たくあん石をつけて、海の底へでも沈めちまうのが日本のため」と断言されるなど赤シャツ以上に良く思われていない。

うらなり
英語教師。名字は古賀。
お人好しで消極的な性格。青白いながらふくれた容姿の持ち主で、子供の頃に同じように青くふくれている人物について清から「あれはうらなりのとうなすばかり食べているからああなった」と聞いたことを思い出した坊っちゃんから「うらなり」と名づけられた。マドンナの婚約者であったが、1年前のうらなりの父の急死で結婚が延びていた間に赤シャツがマドンナと交際をはじめてしまう。

マドンナ
うらなりの婚約者だった令嬢。名字は遠山。マドンナは教師たちの間でのあだ名。
赤シャツと交際している。坊っちゃん曰く、「色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人」、「水晶の珠を香水で暖ためて、掌へ握ってみたような心持ち」の美人。作中のキーパーソンだが、発言はなく出番もわずかなマクガフィン的な存在。坊っちゃんとの関係は、作中では坊っちゃんが一方的に注目しているだけで、彼女自身は坊っちゃんのことを全く知らない。うらなりの人柄を買っている坊ちゃんはマドンナを「こんな結構な男を捨てて赤シャツになびくなんて、よっぼど気の知れないおきゃん」と評した。

マドンナの母親
坊っちゃんの推測による母親らしき人物。歳は四十五六。背は低いが顔がよく似ている。

山嵐
数学の主任教師。名字は堀田。会津出身。
面構えは坊っちゃん曰く「(比)叡山の悪僧」。正義感の強い性格で生徒に人望がある。 赤シャツの陰謀により坊っちゃんとは仲違いもあった

萩野夫妻
鍛冶屋町に住む老夫婦。旦那は謡が趣味。
いか銀を退去し、うらなりの母の勧めで訪れた坊っちゃんを自宅の一室に住まわせる(第七章)。坊っちゃん曰く士族だけあって上品だが、惜しいことに食い物がまずい。 特に夫人はかなりの情報通であり、坊っちゃんにマドンナ事件やうらなりの延岡転任の真相を教える。

生徒たち
坊っちゃんの学校の教え子。
新米教師である坊っちゃんの私生活を尾行してからかったり(第三章)、宿直中の坊っちゃんの蚊帳の中にイナゴを入れる(第四章)など手の込んだいたずらをするが、たびたびしらを切り坊っちゃんを怒らせる。のちに職員会議で問題になり、山嵐の訴えで坊っちゃんに直接謝罪したうえで一週間の謹慎となる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』坊つちやん(坊ちゃん) (夏目 漱石) 

夏目漱石

夏目 漱石(なつめ そうせき、1867年2月9日〈慶応3年1月5日〉 - 1916年〈大正5年〉12月9日)は、日本の教師・小説家・評論家・英文学者・俳人。本名は夏目 金之助(なつめ きんのすけ)。
俳号は愚陀仏。明治末期から大正初期にかけて活躍し、今日通用する言文一致の現代書き言葉を作った近代日本文学の文豪の一人。
代表作は『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『三四郎』『それから』『こゝろ』『明暗』など。明治の文豪として日本の千円紙幣の肖像にもなった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』夏目漱石

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夏目漱石
小説作品



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坊ちゃん(第二章)

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